早稲田大学法学部で2025年春学期から新規開講される主専攻法学演習(法社会学)ゼミに関するQ&A集です。

1)ゼミの担当教員について   2025年4月から早稲田大学法学部に法社会学担当の教員として着任する高村学人が担当します。現在は、立命館大学政策科学部の教員です。  地域コミュニティによる土地利用ルールの形成・運用、自治体による法律・条例の執行過程をテーマに研究を進めてきました。現場を重視し、フィールドワークやアンケート調査を活発に行ってきました。ゼミでもそのような研究に皆さんと一緒に取り組みたいと考えています。  教員のプロフィールや研究内容は、以下をご覧ください。  教員のHP https://sites.google.com/site/takamuragakuto/

2)ゼミで作成する調査報告書のイメージ  ゼミでは、飛騨高山で法社会学的な調査を夏休みに行い、その結果を調査報告書にまとめていくことを目標にして1年間の活動を行います。  これまで立命館大学のゼミでも同じような進め方をしてきました。以下にこれまでの調査報告書の目次をアップしました。参考にしてみてください。  https://sites.google.com/site/takamuragakuto/home/lectures/ゼミの活動  法学部でのゼミとなるので、法律的な論点により深く取り組んでいければ、と考えています。私にとっても飛騨高山での調査は初めてなので、本格的なアンケート調査は、ゼミの二年目に飛騨高山での継続調査として取り組みたいと考えています。

3**)飛騨高山学会について**  冬には飛騨高山学会にて研究成果の発表も行う予定です。以下を閲覧すると、どういうものか、ある程度、わかると思います。  https://www.renkei-center.jp/society/index.html  研究発表に対してさまざまな人々から講評をもらえる貴重な機会でもあり、学会への参加は、調査協力へのお礼ともなるので、ぜひ参加してください。現地で打ち上げも行います。

4)質問の受付  早稲田大学法学部での初めてのゼミとなるので、学生からの質問・相談を歓迎します。  以下までメールを送ってください。  takamura アットマーク waseda.jp 他の学生にとっても有益と思える質問と回答については、以下のQ&A集に掲載するようにしていきます。個別的な相談・質問等は、掲載しませんので、なんでも遠慮なく尋ねてきてください。

5)Q&A集  Q1 募集定員は何名ですか?   A 調査活動を行う適正規模を考え、三年生10名、四年生5名としました。第一次募集での応募については、合計15名を若干上回る場合も受け入れる予定です。 (*2026年度春学期での募集もも同程度の定員とする予定です)

  1. シラバスに記しましたが、ゼミのテーマと概要をこちらにも掲載します。

6-1)ゼミのテーマ  飛騨高山における土地・建物の継承問題の法社会学調査  本ゼミは、岐阜県の飛騨高山をフィールドに、不動産の継承問題に関するフィールドワーク調査を夏休み期間に行い、その成果を報告書にとりまとめ、冬の飛騨高山学会にて発表することを目標に研究を進めます。  飛騨高山での不動産の継承問題は、次のように二極化している。一つの極は、「ジェントリフィケーション」という不動産価格の上昇に伴う問題である。中心部の街並み保存地区では、インバウンドによる観光客増加により、不動産価格や賃料が高騰し、全国的なチェーン店舗でないと新規開業ができにくくなった。それゆえ、どこにでもあるお店が増えたり、定住者が減少し、地域コミュニティや祭りの担い手確保に問題が生じたりしている。それゆえ高山市は、当該地域での不動産取引に何らかの規制を導入できないか、の検討を開始した。  もう一つの極は、山間部の集落で、引き取り手のない家屋や宅地、農地や山林が増加している問題である。このような問題は全国共通であるため、昨今、所有者不明土地問題に対応する民法・不動産登記法の大改正が行われた。それゆえ、この法改正が、これまで行われてきた市による空き家バンクの運営、農業委員会や森林組合による農地や山林の斡旋に、どのような影響を与えたのか、を調査することが求められている。  以上のように、対となる二つの問題があるため、ゼミでも二グループにわけて、調査の準備、実施、とりまとめを行う予定である。  参考資料 街並み保存地区 https://www.denken.gr.jp/archive/takayama-sanmachi/index.html 6-2)ゼミの概要と進め方   春学期は、先行研究、関連する法制度、飛騨高山の資料に関するグループ発表を中心に行い、調査テーマと調査先を確定し、各学生が質問項目を事前に送付するところまで進める。  夏休みの調査合宿の時期は、9月中旬を一つの候補とし、移動日も含めて3泊4日で行う。ゼミの性格上、調査合宿には、必ず参加することが求められる。日程は、ゼミの開始後、できるだけ早い時期に確定する。調査の方法は、現地踏査と聞き取り調査によるフィールドワーク、一次資料の収集が中心となる。  秋学期は、夏休みの現地調査の結果を法社会学的な観点から分析し、飛騨高山学会でグループ発表を行ったり、ゼミとして調査報告書を取りまとめたりすることを目標にゼミ活動を行う。