早稲田大学法学部で2026年春学期から二年目のゼミとして開講される主専攻法学演習(法社会学)ゼミに関するQ&A集です。
1)ゼミの担当教員について 2025年4月から早稲田大学法学部に法社会学担当の教員となった高村学人が担当します。 地域コミュニティによる土地利用ルールの形成・運用、自治体による法律・条例の執行過程をテーマに研究を進めてきました。現場を重視し、フィールドワークやアンケート調査を活発に行ってきました。ゼミでもそのような研究に皆さんと一緒に取り組みたいと考えています。 教員のプロフィールや研究内容は、以下をご覧ください。 教員のHP https://sites.google.com/site/takamuragakuto/
2)ゼミの進め方 ゼミでは、飛騨高山で法社会学的な調査を夏休みに行い、その成果を11月末の飛騨高山学会で発表し、最後に調査報告書にまとめていくことを目標にして1年間の活動を行います。 2025年4月からスタートした法学部での最初のゼミでは、高山市の古い街並みが保全されている地区をフィールドとし、不動産価格高騰に伴い、域外資本企業しか進出できなくなった状況が、どのように景観に変化を与えているのか、景観デザインに関する市の行政指導と地域団体との事前協議は上手く機能しているのか、をテーマに9月28日から10月1日までの3泊4日調査を行いました。 不動産仲介会社2社、地域団体2つ、市役所に聞き取り調査を行い、建物の外観調査や観光客向けのアンケートも実施しました。 現在、飛騨高山学会にむけて調査結果のとりまとめをしているところです。 これまで立命館大学のゼミでも同じような進め方をしてきました。以下にこれまでの調査報告書の目次をアップしました。参考にしてみてください。 https://sites.google.com/site/takamuragakuto/home/lectures/ゼミの活動
3**)飛騨高山学会について** 以下を閲覧すると、どういうものか、ある程度、わかると思います。学生時代にこのような場でゼミでの研究成果を発表できるのは、貴重なことなので、関心ある学生は、ぜひゼミに来てもらえればと思います。 https://www.renkei-center.jp/society/index.html 研究発表に対してさまざまな人々から講評をもらえる貴重な機会でもあり、学会への参加は、調査協力へのお礼ともなるので、ぜひ参加してください。現地で打ち上げも行います。
4)現在のゼミの人数 3年生(来期4年生)が4名(男性1、女性3)です。2年生秋学期からの募集は行わず、3年生春学期からスタートするゼミとしていますので、現2年生はいません。 ゼミのインスタもゼミ生により現在作成予定です。 https://www.instagram.com/takamurazemi/ ゼミがスタートしてまもないので、気楽にゼミに溶け込めると思います。 新しいゼミなのですが、高村の前任者である楜澤能生先生(法社会学担当)の時代に、早稲田大学法学部法社会学ゼミ稲門会(以下にHP)が結成され、こちらにゼミ生も自動加入となります。 ゼミ稲門会を通じて、先輩方と交流したり、卒業後もゼミの後輩と交流できる機会があります。 https://sites.google.com/view/houshakaigakuzemitomonkai/ 今年は、2025年11月15日に法社会学ゼミ稲門会を開催し、現在の3年生が飛騨高山での調査研究の成果を発表し、社会人となったOB/OG、楜澤能生名誉教授から講評を仰ぐ機会を持ち、その後、懇親会を持つ予定です。 OB/OGからも法社会学ゼミで学んで良かったことにつき、お話頂く予定でいます。
5)質問の受付 学生からの質問・相談を歓迎します。 以下までメールを送ってください。 takamura アットマーク waseda.jp 他の学生にとっても有益と思える質問と回答については、以下のQ&A集に掲載するようにしていきます。個別的な相談・質問等は、掲載しませんので、なんでも遠慮なく尋ねてきてください。
6**)Q&A集** Q1 募集定員は何名ですか? A 調査活動を行う適正規模を考え、三年生10名、四年生数名としました。
7) シラバスに記しましたが、ゼミのテーマと概要をこちらにも掲載します。
7-1)ゼミのテーマ 飛騨高山における土地・建物・山林の継承問題の法社会学調査 本ゼミは、岐阜県の飛騨高山をフィールドに、不動産の継承問題に関するフィールドワーク調査を夏休み期間に行い、その成果を報告書にとりまとめ、冬の飛騨高山学会にて発表することを目標に研究を進めます。 飛騨高山での不動産の継承問題は、次のように二極化している。一つの極は、「ジェントリフィケーション」という不動産価格の上昇に伴う問題である。中心部の街並み保存地区では、インバウンドによる観光客増加により、不動産価格や賃料が高騰し、全国的なチェーン店舗でないと新規開業ができにくくなった。それゆえ、どこにでもあるお店が増えたり、定住者が減少し、地域コミュニティや祭りの担い手確保に問題が生じたりしている。それゆえ高山市は、当該地域での不動産取引に何らかの規制を導入できないか、の検討を開始した。 もう一つの極は、山間部の集落で、引き取り手のない山林が増加している問題である。このような問題は全国共通であるため、昨今、所有者不明土地問題に対応する民法・不動産登記法の大改正が行われた。それゆえ、この法改正が、これまで行われてきた市による森林法の執行や森林組合による山林の管理に、どのような影響を与えたのか、を調査することが求められている。 以上のように、対となる二つの問題があるため、ゼミでも二グループにわけて、調査の準備、実施、とりまとめを行う予定である。 参考資料 街並み保存地区 https://www.denken.gr.jp/archive/takayama-sanmachi/index.html 6-2)ゼミの概要と進め方 春学期は、先行研究、関連する法制度、飛騨高山の資料に関するグループ発表を中心に行い、調査テーマと調査先を確定し、各学生が質問項目を事前に送付するところまで進める。 夏休みの調査合宿の時期は、9月中旬を一つの候補とし、移動日も含めて3泊4日で行う。ゼミの性格上、調査合宿には、必ず参加することが求められる。日程は、ゼミの開始後、できるだけ早い時期に確定する。調査の方法は、現地踏査と聞き取り調査によるフィールドワーク、一次資料の収集が中心となる。 秋学期は、夏休みの現地調査の結果を法社会学的な観点から分析し、飛騨高山学会でグループ発表を行ったり、ゼミとして調査報告書を取りまとめたりすることを目標にゼミ活動を行う。